平成10年9月15日号掲載分

◎涙が働かないドライアイ・眼の異常な乾燥に注意を (林 豊)

 長時間テレビを見たり、コンピュータ作業をした後に、眼精疲労や目の乾燥を感じることがありませんか。よくいわれる「ドライアイ」かな、と思われるかもしれませんが、実際には、以下性の乾燥程度のものがほとんどです。
 「ドライアイ」と診断されるのはどのような場合でしょうか。
 医学的には「ドライアイ」は、涙の量的、質的な異常によって、眼球表面が障害された場合を指します。涙液は弱い粘膜からできている眼の表面で、重要な役割を果たしています。円滑な眼球運動や、角膜の透明性を保ち、異物や最近の侵入に抵抗する働きがあります。
 まばたきをすることによって、涙は層状となって均等に眼の表面を覆っています。「ドライアイ」は、そういう涙の働きが正常に機能せず、眼球表面に障害が起こった場合をいいます。原因としては、感染症、アレルギーなど眼球表面の疾患や自己免疫性のものが知られています。また、点眼剤の乱用によっても涙液層が破壊されて悪化することがあります。
 エアコンの普及によって湿度が過度に低下した環境は、眼に優しい状態とはいえません。適当な環境状態にありながら、目の乾燥感、異物感、異常なまぶしさを感じる場合、眼球の表面や涙液の検査を受けてみてください。「ドライアイ」と診断される場合があるからです。


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