平成11年1月15日号掲載分

◎四十歳以上に多い緑内障 定期検査で早期に発見を (河野政信)

 緑内障には、急性緑内障と慢性緑内障の二つの型があります。
 眼圧が突然、異常に高くなり、治療が遅れると二、三日で失明してしまうのが急性緑内障で、強い眼痛や頭痛、視力低下などの激しい症状を生じます。
 一方、慢性緑内障では、数年を経て、徐々に視神経障害による視野異常や視力低下などの症状が進行します。慢性緑内障の問題点の一つは、通常、初期では、自覚症状が無いということです。自覚症状が出た時点では、視神経障害が、かなり進行しています。治療によって進行を防止することは出来ますが、一度失った視野や視力は改善しません。他の病気と同じように、緑内障も早期に発見することが大切です。
 最近の疫学調査によると、四十歳以上の人では、三十人中一人に緑内障があると報告されています。成人病の一種として、緑内障の頻度は、思っている以上に高いといえます。
 糖尿病や高血圧などは、正しい食生活をすることで、つまり、自分の努力によって予防することが出来ます。しかし、緑内障の原因はよく分からず、予防の方法がありません。
 緑内障を早期に発見するために、四十歳を過ぎたら、年に一回は眼科医や人間ドックで検査を受けましょう。


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