平成12年1月15日号掲載分

◎血液検査で胃ガンを発見 「ペプシノゲン法」が注目 (鄭 英樹)

 最近、早期胃がんについては内視鏡的治療が、進行胃がんについては抗がん剤による化学療法が進歩し、「早期発見・早期治療」で進められてきた検診システムも転換期にきています。
 治療の進歩や選択の幅が広がり、がんをどの時点で発見するかが重要になってきました。
 重い糖尿病や膠(こう)原病の合併などで、以前は手術が受けられなかった早期胃がんの患者でも、内視鏡的治療の進歩により手術が可能になりました。また、進行胃がんの患者でも、ある種のタイプであれば化学療法の治療効果が表れることがあります。
 胃がんの検診には、バリウムによる]線二重造影法があります。ここで「要精検」とされた場合、内視鏡(胃カメラ)検査を行い、確定診断をします。一般的な方法ですが、いずれも、苦痛を伴い費用が掛かります。そこで、受診率を上げることと、効率良くがんを発見することが問題となってきます。
 血液検査でペプシノゲンを測定し、関係のあるがん患者群を絞り込む、ペプシノゲン法が最近注目されています。血液検査なので、]線法に比べ、安全で安く受診率が向上します。ただし、ペプシノゲンと関係のないがんが見逃される欠点があります。
 ]線法とペプシノゲン法の両者の欠点を補って、うまく併用する検査方法が期待されています。


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