平成15年3月15日掲載分

◎ホルモン分泌の低下が影響 更年期を乗リ切る工夫を (市医師会・ 戸田一司


 老化は、加齢による身体機能の低下ですが、女性の場合、閉経後、卵巣機能が停止し、エストロゲン(卵巣から分泌される女性ホルモンの一種)の分泌が低下することも、身体機能の変化に大きく関係しています。精神面での変動も生じやすく、心身の失調を来たすこともあります。
 代表的な症例として、骨粗しょう症が挙げられます。更年期以降に急増することから、エストロゲンの低下との関連が指摘されています。
 エストロゲンは、高脂血症の予防や改善にも役立っているホルモンです。更年期障害や萎(い)縮性膣(ちつ)炎(老人性膣炎)に対して効果があるだけでなく、イライラや不安感、不眠などの症状を軽減、消失させることが期待できます。
 エストロゲンによる治療は、症状や検査、自分の病歴で適応できるかどうかを医師に相談し、適切な投与を開始することになります。
 エストロゲンなどのホルモン補充療法だけでなく、運動不足にならないよう、自分に適したスポーツを無理なく行ったり、乾燥肌を防ぐスキンケアなどを心掛けることも必要です。
 女性の一生で、重要な節目の時期である更年期を、うまく乗り切ることが、その後二十年の生活の質を左右するといってもいいでしよう。


メニューへ戻る