平成15年7月15日掲載分

◎老化の進行には個人差が 危険因子の少ない生活を (中村多一)


 老化の仕組みはまだ明らかではありませんが、老化とは「成熟期以降に年を取り、体の機能が衰えていき、
元に戻らないこと」と考えられています。
 全身の臓器で老化が進みますが、血管の老化もあります、血管が老化すると、血液の流れに問題を起こします。例えば、脳の場合、血管が詰まると脳梗塞(こうそく)になり、血管が破れると脳出血になります。
また、心臓の血管の流れが悪くなると狭(きょう)心症となり、詰まると心筋梗塞になります。
 血管の老化を進める原因には、塩分の取り過ぎ、肥満、ストレス、喫煙、運動不足、高血圧、糖尿病、高脂血症(高コレステロール、高中性脂肪)などがあります。
 コレステロールを取り過ぎると動脈硬化が進み、血管の内側を狭め血管が詰まってしまいます。逆にコレステロールが足りないと血管の弾力性が失われ、破れてしまいます。
 若く見える人と老けて見える人がいるように、老化のスピードには個人差が有り、その差は年とともに大きくなっていきます。老化を避けることはできませんが、老化の危険因子を避けることで、老化のスピードを遅らせることはできます。高脂血症、高血圧、初期の糖尿病などは自覚症状がないので、検診などを受けて血圧や血液検査の値に注意し、危険因子を避けて老化を抑え、健康を維持しましょう。


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